LLマンガへの取り組み

小社では,写真版LLブックの継続刊行と共に『障害のある人たちに向けたLLマンガへの招待:はたして「マンガはわかりやすい」のか』と題する一書を刊行しております。
 
LLマンガへの招待

本書では,LLマンガの制作・普及をめざすために,LLマンガとは何か,なぜ必要なのか,描くための視点と技法などについて平易に解説しています。具体的には,大人が楽しめるマンガを,内容を薄めずに,幼稚にもせずに,わかりやすく読みやすくするためにはどうしたらよいか,さまざまな角度から考察を進めます。
ところで,一般的には「マンガ」はわかりやすいと思われている表現形態ですが,LLの視点(やさしく読める)からみると,「はたして本当にマンガはわかりやすいのか」という疑問が生じてきます。
 
変則的に並びさまざまな形状に変化するコマ,ストーリー展開の中でいろいろに変化する登場人物の表情は,決してわかりやすいとはいえません。また,小さな文字がぎっしり詰まった吹き出し,文字の字体が人物の口調によって変化する吹き出しなどは,やさしく読めません。漢字にルビが振られていないものも同様です。さらには,絵の一部のように用いられる文字による擬音語や擬態語の表現も,読み解く能力が必要です。
 
こうした諸点に注目しますと,障害のある人たち(子どもから大人まで)が,自分の生活年齢に合った,(現在出版されている)マンガを読むこと自体難しいといえます。ここにLLマンガの必要性があります。LLマンガの登場によって障害のある人たちも,現在のマンガで表現されるテーマや内容を同じように楽しむことができたら,読書の楽しみが何倍にもなるでしょう。絵が表現の主体となるマンガの世界だからこそ可能なことだと思います。
 
これから先,障害のある人たち,そして,できれば日本語や日本文化に慣れていない外国の方,マンガを読むことに慣れていない高齢の方などにも興味をもって読んでもらえる多様なLLマンガが生まれることを願っています。
 

ページの先頭へ戻る